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リウマチとは
関節リウマチは、全身のさまざまな関節にが腫れや痛みが生じ、しだいに関節や骨が破壊され変形していく病気です。
リウマチ初期症状には、熱っぽい、からだがだるい、食欲がないなどの症状が続いたりします。 その後、からだがだるい・疲労感がある・朝方に手足がこわばる・関節が腫れ、むくみ、痛い、だるいなどの症状があらわれます。
リウマチは、高齢者の病気と思っている方も多くいますが、年齢別でみると、30~50歳代で発症した人が多く、男女比では女性に起こりやすい病気でもあります。
働きざかりの女性になぜ多いか原因は、残念ながらはっきりしていませんが、ウイルスの感染、過労やストレス、喫煙、過労、出産やけがなどをきっかけに発症することがあるとも言われています。冷えた所で長時間仕事をしていた、精神的ショックを受けた、妊娠や出産のあとで発見という例も多いのです。
関節リウマチの症状
関節リウマチは、体に入ってくる異物を攻撃するしくみ「免疫」に異常をきたし、自分の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。
関節リウマチでは、全身のさまざまな関節に炎症を起こし、腫れや痛みが生じます。
関節リウマチになると、動作がつらく感じることがあります。
・重たいものを運ぶ
・長い時間歩く
・階段の上り下り
など
そして、早期の症状として
・朝、手足がこわばっている
・手に力が入りにくく、ふきんや雑巾を絞りにくい
・畳や床を歩くときに足裏が痛い
などで、つらく感じられることもあります。
また、例えば梅雨の時期や冷房の強い部屋などでは調子が悪くなるかたもいます。
リウマチは早期発見がとても重要な病気ですが、関節痛やただの疲れなどと勘違いして過ごされることも多く、発見が遅れやすい病気でもあるのです。
関節破壊の進行
関節リウマチでは、関節を包んでいる骨膜に炎症が起こり、関節を構成する軟骨の骨が徐々に破壊され、関節が変形しています。
これを「関節破壊」と言います。
リウマチの特徴
一般に、骨や関節、筋肉など、体を支え動かす運動器官が全身的な炎症を伴って侵される病気を総称して「リウマチ性疾患」といいます。このうち、関節に炎症が続いて、関節が徐々に破壊され、やがて機能障害を起こす病気が「関節リウマチ」です。関節リウマチの特徴的な症状は「関節の腫れ」です。もっとも起きやすいのが、手首や手足の指の関節です。また、関節リウマチの症状は「対称性」といって、左右両側の関節にあらわれることが多いのが特徴です。
関節リウマチとよく似た病気に「変形性関節症」がありますが、この病気は、関節を動かしたときに痛みが出やすいものです。一方、関節リウマチは、腫れを伴って、じっとしていても痛いのが大きな特徴で、その痛みはよく「噛みつかれたような痛さ」とも言われます。
リウマチの原因
関節リウマチに特徴的な「腫れと痛み」は、免疫機構に異常が生じ、その結果関節に炎症が起こって生じるものです。免疫機構とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの外敵を攻撃し排除するシステムで、人間が生まれながらに持つ性質です。ところが、何らかの原因でこのシステムに異常が生じることがあります。この場合、免疫機構が自分の体の成分や組織を外敵と誤り、攻撃して排除しようとします。
このように免疫機構と正常な組織との間に争いが起こると、炎症とともに関節が破壊されるのです。関節で炎症が続くと、関節の中にある「滑膜」に血管や細胞が増えて、滑膜が厚く腫れてしまいます。腫れあがった滑膜はやがて骨の軟骨部分や靭帯を破壊し、進行すれば骨まで破壊してしまうのです。
経過のたどり方
関節リウマチの経過
ケース①軽症のまま経過する場合
関節リウマチの経過は人により異なりますが、患者さんの約70%は、軽症のまま経過します。この場合は、関節の破壊の進行が比較的ゆっくりで、手や足の指などの小さな関節はいろいろな変形や障害を受けますが、膝や股関節などの大きな関節ではほとんど進行が見られません。つまり、このグループの患者さんの多くはそれ程大きな機能障害が起こらないので、関節リウマチのために手術することはないと思います。家庭でも、職場でも、手術を考えなくても自立した日常生活が送れています。それまでに起きた変形を残しながら、炎症も次第に治まっていきます。
ケース②症状が進行する場合
残りの約30%の患者さんには、長年にわたって徐々に進行して、全身の関節が破壊されていくケースと、急速に進行して多くの関節が破壊されるケースがあります。このような場合には通常、抗リウマチ薬は効果が少なく、関節破壊を止め得ないことがよく起きます。また、関節が壊れて痛いときは、痛み止めで抑えられる程度を超えて抑えようとすると、胃潰瘍などの副作用が起きることがしばしばです。
このような場合には、適切なタイミングで関節の手術をして痛みを和らげ、歩いたり、手を使ったりする機能を保っておくことが大切です。いずれにしても、関節リウマチをできるだけ早く発見して、早くから治療を始めることが重症化を抑え、運動機能を保つ上で非常に重要です。
妊娠中の関節リウマチ治療について
関節リウマチは30歳代~50歳代の女性の患者さんが多いこともあり、妊娠・出産への影響に悩む人も多いようです。関節リウマチを発症し、治療を受けている患者さんでも、医師の指示をしっかり守れば妊娠・出産に問題はありません。まずはお気軽にご相談ください。
ただし、産科医不足が叫ばれる昨今、関節リウマチを抱えた患者さんが入院を拒まれるケースも少なくないようです。一般的な妊娠の条件として、病状が安定していること、腎臓や心臓など内臓に重大な病変がないこと、副作用の考えられる薬を中止することが挙げられます。
妊娠中の関節リウマチ治療薬の投薬について
妊娠を希望する場合には、胎児への影響を避けるため、原則リウマトレックス、イムラン等の抗リウマチ剤は使用できません。プレドニン、プレドニゾロン等のステロイド剤は胎盤で分解されるため、抗リウマチ剤や非ステロイドの抗炎症剤に比べて、胎児に影響がないと言われています。そのため、一般的にはステロイド剤に切り替えて治療を行います。薬によってはかなり早期に中止しなければならないものもあるので、いつ薬を変更しなければいけないのか、などのタイミングについては早めに主治医に相談する必要があります。
妊娠中・産後の関節リウマチの症状について
妊娠中には免疫の働きが抑制されるため、関節リウマチの症状が軽くなることがあります。 しかし産後に悪化する場合が多く、赤ちゃんのお世話に影響する可能性もあるので、家族をはじめ周囲の協力は欠かせません。また、授乳期間中の服薬についても、母乳を通じて赤ちゃんに影響が出ることもあるので、出産後の治療方針を主治医とよく相談しなければなりません。